珈琲について ②

珈琲について ②

ほこほこ オンラインショップをご覧に皆様 
きっと、このページを眺めながら珈琲を飲まれていることでしょう…
飲まれていない方はぜひ、このコラムを読まれた後、
珈琲を見てみましょう(#^-^#)

 

ほこほこ 担当焙煎士 麗 です

水無月(6月)に掲載する予定だったのですが
焙煎所でのイベントや諸々で此方の更新が
遅くなってしまいました。申し訳ありません。

文月(7月)もギリギリで、実際には葉月(8月)の掲載になるのですが
前回、少しだけコーヒーノキ 珈琲豆の構造などについてお話ししました。

 

今回は、その連載版という形で、ほこほこさんで取り扱われている珈琲豆の
『 精製処理方法 』についてお話していきます。

マニアック且つ長文ですので、
ゆっくりしながら、今あなたの目の前にある珈琲が
海外から来る珈琲豆がどのようにして、この日本に来るのか
なんとなく想像しながら読んで、飲んでいただけたら幸いです。

 

―― それでは どうぞ (o^-^o) ――

 

そもそも、精製処理とは・・・
結論から端的に申し上げるならば、収穫したコーヒーチェリーから種子である珈琲豆を取り出し生豆(なままめ)にするということです。

なんともざっくばらんな説明ですね。

 

その主な精製法が

非水洗式(ナチュラル)

水洗式(ウォッシュド)

パルプドナチュラル(ハニープロセス)

スマトラ式   です。

更に細かく見ていくと、まだ別の製法があり枝分かれしていきます。

 

そして、今回は、

ウォッシュド についてお話していこうと思います。

 

コーヒー豆の精製方法のひとつで、世界で最も広く(約7割ほど)

行われている方法

水洗式とも呼ばれるこの方法は、その名の通りたくさんの水を使って果肉を洗い流します。珈琲はすっきりとクリアな味わいに仕上がります。

 

大量の水を使ってきれいな生豆を作りやすいというメリットがあります。

また、ウォッシュド珈琲は雑味が少なく、クリアな味わいを楽しめるとされます。

 

一方、大量の水を使用するための設備や環境を整える必要があり、

排水を原因とする汚染リスクの対策も必要となる点がデメリットです。

 

 ① 機械での果肉除去

 

まず初めに、異物や未熟な豆などを取り除かれたコーヒーチェリーを

パルパーと呼ばれる機械に送り、皮・果肉(パルプ)を取り除きます。

 

完熟果実は果肉が容易に剥けますが、未成熟果実は剥けません。

ここでサイズ差がでるので、完熟果実と未成熟果実をある程度

選別することができ、未成熟豆の混入率を下げることができます。

 

また、果肉の除去とパーチメントの除去が別々におこなわれる点が

ウォッシュドでの特長です。

 

果肉を除去した後の状態をパーチメントコーヒーと言いますが、

表面にはミューシレージと呼ばれる粘着質がついており、これを取り除く必要があります。

 ② ミューシレージの除去

 

粘液が残った状態になるため次の工程でこのミューシレージを取り除きます。

ミューシレージリムーバーと呼ばれる

専用機械を使う(豆同士の擦り合わせと水圧を利用)方法と、

発酵槽に入れて酵素と微生物によりミューシレージを分解する方法が主です

特筆すべきは発酵槽を用いた除去方法です

 

発酵による粘液除去

 

機械による果肉除去が終わった豆は水槽に送られ

12~72時間ほど発酵による粘液の分解が行われます。

(時間が経つと豆についたミューシレージが水中の微生物(細菌)によって

発酵・分解されます。)

実を発酵させることで果肉と

粘液質(ミューシレージ)を取り除きます。

 

③ 水洗

 

分解後、機械などで洗浄され粘液を完全に取り除き、

豆を水で洗うとミューシレ―ジをキレイに洗い落とすことができます。

 

この工程によってコーヒーに澄んだ香味が生まれるのがウォッシュドの特徴です

 

 ④ 乾燥

 

 天日干し

パティオと呼ばれる広場や、高床式のアフリカンベット、

低コストですが時間がかかり(1~2週間)

パティオやアフリカンベットでは常に豆をかき混ぜなくてはいけません。

 

 機械乾燥

ドラム式の乾燥機によって豆を乾燥させます。

短時間(数十時間)で乾燥できますが機械のコストがかかります。

 

それぞれの生産地の経済的理由や気候条件に合わせて、

どちらかあるいは両者が併用されたりしています。

乾燥が終わると豆の他には少し硬い「パーチメント」と呼ばれる内果皮が残ります。

このパーチメントを取り除けば生豆の完成です。

 

 ⑤ 脱穀

 

乾燥が終わると一度豆はパーチメントが残った状態で寝かせる必要があります。

その後、脱穀機に送られ、脱穀されると薄緑の生豆が出来上がります。

最後に乾燥時に混入した異物や、混ざってしまった悪い豆を取り除いて、

袋に詰められ出荷されます。

 

ウォッシュドは多くの国で採用されている精製方法です。

販売されているコーヒー豆(シングル)に特に精製方法の記載がない場合は、

ウォッシュドである可能性が高いでしょう。

 

 

 

今回の コラムの まとめ と 追記 w^-^w

 

◆水洗式の精製処理の流れ

<果肉除去>→<粘液質(ミューシレージ)除去 機械or 発酵槽>→

<水洗>→<乾燥>→<脱殻>

 

【メリット】

・果肉除去や水洗などの工程の際に、石や木などの不純物や

死豆・未成熟豆が選別される(特に、乾燥後は見た目でわかりにくい

未成熟豆が、果肉除去の際に選別できる点が大きい。未成熟豆は果肉が

固く果肉除去機でうまく果肉が取れないため、その段階で選別可能)

 

・生豆の精製度が高く、粒も揃っている事が、

欧米で高く評価されている。

 

【デメリット】

・水を大量に使用するため、水資源が豊富な土地でないと難しい

 

・排水による環境汚染(特に発酵槽処理の場合)

 

・管理、衛生、掃除を怠ると、生豆の品質の低下に影響

機械処理:ミューシレージリムーバーという機械により

ミューシレージを除去する方法です。機械設置のコストはかかるものの、発酵槽より省スペース・短時間で、水の使用量が少ないため環境負荷が

小さくなるのもメリットです。「パルプドアンドデミューシレージド」

「メカニカルウォッシュド」と言う場合もあります。

 

※発酵槽処理:伝統的な手法で、発酵槽につけておくと、

コーヒー豆に含まれる酵素と微生物の働きでミューシレージが

分解されます。この方法は比較的低コストで処理ができるのが

メリットですが、発酵槽につけておく時間がかかるのがデメリットです。この方法で処理されたコーヒー豆を特に区別して

「フリーウォッシュド(Fully Washed)」と言うこともあります。

 

 

<採用している主な生産国>

中南米、カリブ海諸国、アジア、アフリカ。

生産国の約7割がこの方法で精製しているとのことです。

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